丹沢主脈縦走 
  1966(昭和41)年1月29、30日 

蓑毛‐ヤビツ峠‐表尾根‐塔ヶ岳‐丹沢山・みやま山荘(泊)‐蛭ヶ岳‐原小屋‐黍殻山‐焼山‐西野々、と歩いた丹沢主脈縦走。よく覚えているのは丹沢山の上にあるみやま山荘に泊まった夜の寒かったこと。向こうが透けて見えるドンゴロス同様の毛布が1人3枚。せめてシュラフカバーでも持ってくればよかったと悔んだ。もっとも寒さきびしいだけに両日ともお天気はよく、富士山をはじめとする眺め抜群の縦走になった。



上 ヤビツ峠から塔ヶ岳へは三ノ塔山、鳥尾山、新大日など起伏の多い、いわゆる丹沢表尾根を登っていかなくてはならない。最初、私がこの表尾根を歩いたのは1953年4月13日、見下ろす秦野盆地は菜の花で一面黄色くなっていた。「いっそ小田急で逃げましょか」(「東京行進曲」)の秦野や渋沢の駅も60年前の昔となれば、地方の田舎駅そのもの。駅前には沢登り相手のワラジを軒先にぶらさげた雑貨屋が1軒ぽつんとあるくらいのものだった。

中 2日目、丹沢山を過ぎると雪が出てきた。私は丹沢にはほんの数えるほどしか行っていない。主脈を歩いたのもこの時1回だけで、「ここはどこか」と尋ねられても皆目わからない。不動平の近くだろうか。

下 原小屋。後年、この小屋は取り壊され「原小屋平」の地名が残るだけだ。

(2013.9)

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