赤鞍岳 
    1982(昭和57)年4月25日

陽春の1日、川崎精雄さんと道志の山を歩いた。富士急行線の禾生駅からバスで雛鶴トンネル入口まで乗り、雛鶴峠へあがったあとは、927㍍峰‐棚ノ入山‐赤鞍岳‐岩戸ノ峰‐本坂峠(道志口峠)とたどり、本坂峠からは廃道を承知のうえで北側道志口の谷を曾雌へと下った。

この年、川崎さんはお歳75、そんな廃道にも動じることがなかった。「川崎さん、道は悪いかもしれないけれど、昔の峠道が通じていた谷だから、なんとか下れないことはないと思うのです。それでもよいですか」と念を押すと「あぁいいよ」の一言。途中の山ヌケの危なっかしいトラバースもなんのそのだった。



上 雛鶴峠は狭い切通しになっていた。辺り一面スミレがよく咲いていたのを覚えている。

中 赤鞍岳へはけっこうな急登があったが、川崎さんはいつもと変らぬ矍鑠とした足取りだった。

下 正面の高いのは赤鞍岳(と思う)。この1299㍍の山は「山と高原地図 高尾・陣場」(昭文社/調査執筆・安富芳森)には、「朝日山(赤鞍岳)」とあり、さらに「山頂の指導標には赤鞍ヶ岳とある」と注記されている。なお、この辺りは久しくいっていないので、もう、ずいぶん変っているに違いない。当時は明るかった尾根筋も、今は林に包まれているのではないだろうか。

(2013.9)

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