一時期、奥多摩山岳会は奥多摩町氷川の街はずれに自前のヒュッテを持っていた。この時の天祖山登山は前夜、そのヒュッテ泊で翌朝は一番バスで日原にはいり、八丁橋からの表参道を天祖山に登り、下りは裏参道を歩いている。
天祖山というと、今ではほとんどの人が八丁橋からの尾根を上下する、つまり表参道の往復のようだが、以前は登りか下りのどちらかに孫惣谷に沿った裏参道を選ぶ人も少なくなかった。しかし、この裏参道は歩いて特別楽しいというものでもなく、途中のオロセーの休場や御供所にはマムシがいるといわれて余り気持ちのよい道ではなかった。
なお、東京都西部公園緑地事務所発行の「奥多摩自然情報地図」(これには英語版もあるのだから嬉しくなってしまう)には裏参道の記入はなく、孫惣谷には御供所までの車道が見られるだけである。また、最新の『奥多摩・奥秩父』(山と溪谷社/このガイドブックの奥秩父の部分は当ホームページの主人長沢洋氏の執筆)にも裏参道は記されていない。
上 天祖山の山頂は木立の中に天祖神社があるだけで、私が登った頃は、立岩に出たところの1ヶ所を除いては眺めは皆無。表参道もただ登る一方で、1723㍍という標高のわりには、登って面白い山でもなかった。ところが上記の『奥多摩・奥秩父』を見ると「富士山の展望がきく社務所跡に出るとその裏が天祖神社である」とあって、現在は頂上付近から富士山に向かっての一方向にしろ切開きがあるようだ。
なお、この写真に写っている手前の人物は本欄にも何度か登場の黒田正雄さん。
中 日原集落のランドマーク稲村岩。日原には、このところ大分ご無沙汰だが、この景観ばかりは変わらないだろう。
下 表参道の途中にある大日天神の社(だろうと思う)。(2013.7)
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