月山
  1972(昭和47)年7月10、11日

梅雨の明けきらないうちの、時折ぱらぱらくるような空模様の月山だったが、これだけ見えればよしとしなければならないだろう。

寝台急行「天の川」で鶴岡。八合目までタクシーに乗れば山頂直下のかぢ小屋(現在の月山頂上小屋)まではいくらもなかった。小屋では風呂に入れてくれたのを覚えている。

翌日は高曇りで鳥海山などがよく見えていた。姥沢へは下り一方の楽な道。バスで山形へおりたあとは列車で上の山へ行き、バスを乗り継ぎ蔵王の賽ノ河原からかもしか温泉までいって泊まった。しかし、翌12日は雨が降りだし、結局、蔵王ではどこも登らずに白石へでて帰るはめになった。

なお、この頃は八甲田から裏岩手へまわるなど、山の梯子を何回かやっている。隣には家人の母親が住み、飼い猫の面倒もみてくれたので、安心して何日も家をあけることができた。

猫は愛嬌のあるクロトラ、専用の口があって勝手に出入りして餌は隣でもらい寝るのは我が家に戻ってとなっていたが、山から帰ると部屋にはとろけかかった鼠がころがっていたり、泥足のプリントがそこら中についていたりしたものである。

(2013.6)                   

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