一ノ瀬、斉木林道
     1981(昭和56)年3月15日

1977年に笠取小屋の田辺正道さんが亡くなって4年目の年。あと1週間で春のお彼岸というにしろ、一ノ瀬はまだ寒い冬のままだった。

前の晩、田辺さんの家に泊めてもらい、今日は犬切峠から石保戸山へ歩こうという朝、おばさんが峠の登り口まで送ってくれる途中「今は寒くてなんのおご馳走もないが、もっとぬくとくなってから、また、きておくれ。ワラビが採れるようになれば、他にもいろいろお馳走ができるから」と話したのをよく覚えている。



上 犬切峠から石保戸山をへて斉木林道につながる尾根上には、眺めのよい防火線が切ってある。背後には犬切峠を介しての藤尾山、つと目をあげて奥秩父主脈の東の方を見やれば飛竜山の特徴ある山容が嬉しい。

中 この日は鳥小屋から斉木林道を白沢峠まで歩いたあと、笛吹川の谷におりた。林道の途中には雪の深いところもあり、午後の陽射しに腐って重いラッセルを強いられた。

下 「マサミッチャンノオバサン」といいならわしている田辺八千代さんは今年の6月で88歳になるはず。もう、50年以上にもなる長い付合いだ。

(2013.1)

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