坂丸峠、雨降山
  1979(昭和54)年12月30、31日

西上州といえば万場、万場といえば今井屋旅館、今井屋といえば鳥鍋。それに藤井実さんも西上州の定番であり、さらにこのときは佐竹義一さんが加わった。

佐竹さんは、私の『幾つかの山』(朝日新聞社)を作ってくれた福原清憲さんを通じて知り合った山友達の1人で、このあとでは残雪期の尾瀬にも一緒にいっている。

当時は「アサヒグラフ」の編集部にいたが、そんな山歩きの途中、よい企画はないかと訊かれて、「夏の北アルプス、超満員の山小屋なんかいいと思うなぁ」。すると、それが大見出し「楽園の中の難民収容所」堂々4ページとなってびっくり。

「取材で白馬へも登れてよかったし、なかなか好評でした」とは佐竹さんの後日談であり、「でも、山小屋でお金を数えているところは、写させてくれませんでした」。



上 今井屋旅館に泊まった翌日は、法久の集落から雨降山に登った。集落の家々を前景にして西御荷鉾山がよい形だった。

中 坂丸峠、先頭のチョビ髭が佐竹さん。初日は秩父側からこの峠へ登り、「おまけ登山」の長久保山と父不見山を稼いだあと、杉ノ峠道を神流川沿いの万場へおりた。

下 雨降山は雨乞いの山で、山頂一帯には神社や石碑などのほかにお篭堂まであった。この山には、さらに1989年4月に柿原謙一さん、2003年1月には山田哲郎、大森久雄、岩瀬晧祐、泉久恵、寺田政晴、三好まき子(年齢順)の諸兄姉と、いずれも今井屋に泊まった翌日に登っている。

(2013.1)                       

中、下の写真はクリックすると大きくなります。

横山厚夫さんのちょっと昔の山 トップに戻る