富士山
  1967(昭和42)年4月23日

いまだ富士山には登ったことがない。もう、このまま登らずに終わってしまうだろう。

この2、3年、かかりつけのお医者に「貴方は肺の機能が低下しています。もう2000メートル以上の山は無理ですよ」といわれている。確かにパルスオキシメーターで計った数値もよろしくない。

しかし、昨年の6月、2800bほどの八ヶ岳硫黄岳に登ってなんでもなかったのだから、そう気にすることもないだろうが、富士山ばかりは、この先登れるとしても、登ろうとは思わない。なぜなら、こんなただ砂礫の山腹を登るだけの情緒皆無の山は、とても私の趣味には合わないからだ。

この時は奥多摩山岳会の人たちと5合目まで車であがった。私たち二人だけがピッケルとアイゼン組で、ほかはスキーが目的だった。ほとんど風のない穏やかな日で、登ろうと思えば山頂までいけたろう。しかし、7合目の少し上までいったところで飽きてしまい、「もう、この辺でやめよう」とおりてきてしまった。

なお、家人はずっと以前、勤め先の同僚と富士吉田(現・富士山)の駅から夜通し歩いて登ったことがあるといっている。

(2013.1) 

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