両神山
  1972(昭和47)年11月19〜21日

この時は、よく歩いた。通称「画伯」の藤井実さん同道で2泊3日の山旅。

三峰口からタクシーで入った栃本を振り出しに山ノ神峠‐中双里(民宿やまぐち泊)‐白井差峠‐両神山‐清滝小屋(泊)‐日向大谷‐奈良尾沢峠‐納宮と歩き、納宮からバスで小鹿野、西武秩父に出ている。

藤井さんは、私が教科書会社に勤めていた頃に知り合った絵描きさんで西武池袋線のひばりヶ丘駅近くに住んでいた。そのため、奥武蔵や西上州の山に行くのには便がよく、かつ自由業で好きなように出かけられたので何度も同行したものである。

だが、この20年来、病を得て遠くに転地したあとは奥さんとも連絡が途絶え、「どこでどうしているのやら」の1人になってしまった。ご存命ならば、もう90に近いお歳だろう。



上 中双里から白井差峠までは急登の連続、峠から両神山までは梵天ノ頭、ミヨシの岩稜、ヒゴノタワなどのアップダウンの多い尾根(梵天尾根)で時間がかかった。岩の重なる奥ノ院の絶巓を目の前にしながら、なかなか行き着かない道であった。

中 山ノ神峠には荒川筋の栃本から中津川の谷へ越す細道が通じていた。今、この辺は車道が越すようになって、ずいぶん変ったに違いない。

下 清滝小屋。私たちが泊まった日は無人だった。その後、この小屋は火事で燃え、新しく生まれ変わったと聞いている。今はよい小屋の由。

(2013.1)


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