中央アルプス
 1956(昭和31)年9月1〜3日

まだケーブルができるよりも、ずっと以前の木曽駒ヶ岳。奥多摩山岳会の大矢直司さんと鈴木久子さん、それに鈴木さんの友達という女性2人のパーティーに加えてもらって登った。

細かいところは忘れてしまったが、山の記録帳には、「1日 宮田‐中岳宮田小屋泊、2日 宝剣岳‐千畳敷ホテル泊、3日 駒ヶ岳‐伊那」と記してある。

初日は、なんとかいう滝の近くまで、大矢さんと鈴木さんが交渉してきたトラックに載せてもらったが、やはり先輩のお兄さんやお姉さんのやることは世慣れたものだと感心したのを覚えている。

また、千畳敷ホテルではほかに泊まる人はなく、たまのお客に気をよくしたおばさんにお風呂に入れてもらった。その窓から見るカールの草原にはウサギがぴょんぴょんはねる、まったくの別天地だった。



上 頂上から南を見る。なにしろ、その3日間、山小屋でもどこでも、ほかの登山者にはまったく出会わなかったことを強調しておきたい。

中 旧姓鈴木、現山本久子さんは早い頃は奥多摩山岳会に在籍していたが、その後、ブッシュ山の会をたちあげ、一時は東京都山岳連盟の会長も勤めた。下町育ちの姉御肌、現在も元気にご活躍のようだ。このロッジ山旅にも「昭六会」(昭六とあれば、お歳は明白)という会の集まりでご宿泊と聞いている。ホテルの前で生卵を飲んでいる女性は鈴木さんのお友達だが、失礼ながらお名前を思い出せない。右端が山本さんの若かりし頃。

下 ホテルのお座敷。こちらも鈴木さんのお友達だが、やはりお名前を失念。なにしろ半世紀以上も前のことだから、お許しください。

(2012.10)

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