陣馬山、景信山 |
1963(昭和38)年11月10日 |
戦後も昭和40年代の半ばまで、西暦でいうならば1970年頃までは、東京近くの低山の眺めはもっとずっとよかったと覚えている。
中央沿線にしろ奥多摩、奥武蔵にしろ、展望の広がる気持ちのよい尾根道が多かった。物のない時代、山の木を最大限に役立てた後の植林がまだ育たなかったせいであろう。現在ではほとんどが植林に覆われて味気ない陣馬山から景信山の尾根も、かつては眺めがよく明るい稜線漫歩が楽しめたものである。
写真の人物は秋山平三君、彼とは奥多摩山岳会で知り合って仲良くし、よく一緒に山にいったが、4年前に亡くなってしまった。私より2歳年下で、お互い減らず口をたたきながら山を歩くのが楽しかった。
上 道標には明王峠とあるが、今日、この辺は木が茂ってはかばかしい眺めはない。人ばかりが多くなって往年の魅力、いまいずこ。
中 正面に見えるのは景信山だが、やはりこのような眺めは楽しめなくなった。「昔はよかった」をあまり言わないようにしているが、近郊の低山に限っては、つい口に出てしまう。
下 以前は陣馬山の山頂から10分くだったところに、確か八王子市営だったと思うのだが、山の家があった。事前に連絡すれば泊まることもできたと聞いた。今は取り壊されて跡形もない。
(2012.9)
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