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         大栃山 2016.4.15



御坂第二主稜というのは、御坂山地の最高峰、黒岳から北に派生し、やがて西へと向きを変え、芦川右岸に延々と連なる稜線のことである。

30年ほど前、この山域の山名がやたらと変動した。この大栃山もその例にもれず、私が知ったころには『神座山』だったものが、いつのまにやら大栃山になって、いまだに違和感が残っている。その当時の御坂町が国土地理院にでも聴かれて山名を今一度調査した結果だったのだろうか。そして神座山の名前は鳶巣峠を隔てて南側の1473mピークに引っ越してしまった。

山村正光さんは、これらの山名の変動にいたくお怒りで、自分の著作では、大栃山とはとんでもない間違いだと、文献にあたって証拠だてていた。

平成の大合併で山梨県の市町村名にもずいぶん新しいものが増えたが、いまだにピンとこないのは、はじめに覚えた地名が血肉になってしまっているせいで、今の市町村名は、ものごごろついたときにはその地名になっていた人間だけの世の中になったときに初めて完全に定着するのだろうと思う。

山名も地名のひとつで、最初に覚えた名前からは簡単に離れられない。だから私の中ではこの山はいまだに神座山だが、国土地理院の地形図に名前が記載された今となっては、そう書きたくとも通じなければどうしようもない。

(2022.3) 

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