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           高芝山 2011.12.8



人気がある山は麓から見て目立つのが普通で、その典型が富士山である。高かったり、尖っていたり、均整がとれていたり、目立ち方はいろいろあるが、高芝山は塩山市街から見るときれいな三角錐で、要するに尖っていて均整もとれているわけである。にもかかわらず不思議なことに訪れる人があまりない山である。

そんな山は、たとえば中央線沿線の山にもなくはなかったが、中高年登山ブーム以来、あらかた人気の山になってしまった。高芝山は、目立つのに静かだという最後の山といえるかもしれない。

柳沢峠方面からなら標高差がないから、たまに登る人があってもその往復がほとんどだろうが、たどり着いた頂上はまず愛想のないところなのはトップの写真どおり。

この山の醍醐味は南西に延びる尾根に切られた防火線を歩くことにある。甲府盆地を巡る山々に向かって、こんな山では滅多にない展望を楽しみながら下る気分は何とも言えない。

このときは坂脇峠への途中から登り、上条峠へと下った。塩山のFさんに車を手配してもらったおかげでこういったコース設定ができたのである。

むろん高芝山には登ったわけだが、一度登ったなら、次からは割愛して、この防火線が始まる1362mピークから下ったとしても損をした気にはならないだろう。少々距離が短いので、上条峠から小倉山まで足を延ばすのもいいと思う。


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