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          宝永山 2007.10.11



八面玲瓏が富士山だからその均衡を崩す宝永山とその火口は富士のあばたにも見えて写真家からは嫌がられる存在かもしれない。あまりこの方面からの富士山の写真を見ないような気がする。噴火によってだろうか、東側下部の森がなくなっているから、冬はずっと下まで雪で白くなり、そんなところも八面玲瓏を崩している。

ちょっと他にない雰囲気だから面白いですよと教えてくれたのは、富士山のガイドブックを書いている山岳ガイドの平田謙一さんだったように覚えている。

実際に行ってみれば確かにそのとおりで、それは写真を見るだけでもわかると思う。もっとも登るのは大変で、3歩進んで2歩下がるような砂の斜面である。

火口壁の上ではものすごい風で、なんとかてっぺんには立ったが、とてものんびりと昼食をという状態ではない。滞在もそこそこに火口の底へ戻ることにしたが、その下りの早いの早くないのったらなかった。砂煙を巻き上げ、登りの4倍のスピードで、それこそあっという間に駆け下った。

火口底では10人くらいが休んでいた。どこからか「長沢さーん」との声がした。おやおや、なんと女性最高齢でエベレストに登った渡辺玉枝さんをはじめ、知っている人が何人もいるのだった。彼らは私たちと入れ違いに宝永山に登っていったのだが、それが右2段目の写真である。

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