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          栗沢山 2007.6.28



6月も半ばを過ぎれば、暑がりの身としては、もうあまり登り口の低い山には登りたくない。そこでなるたけ交通手段で高いところまで行ける山を選ぶことになる。

前年に引き続き、栗沢山に登ることにしたが、梅雨時だから予報は決してよくなかった。高い交通費をかけて何も見えないのではやはりもったいないが、運を天にまかせて、雨さえ降らねば良しとして出かけることにした。

北沢峠へとぐいぐいと登るバスの車窓からは、うっすらではあるが、鋸岳や甲斐駒が見えていた。この分なら眺めも楽しめるかもしれないと思っていたら、はたして北沢長衛荘(今では北沢駒仙小屋となった)に着くころには、青空をバックに小仙丈ケ岳が姿を現した。これがトップの写真である。

ところが、仙水峠に着くころには甲州側から雲が流れ込み、あたりは何も見えなくなってしまった。頂上に望みを託し、ひたすらの急登にとりかかる。這松帯に入ると、ところどころにおびただしいイワカガミの群落がある。薄いピンクから濃いものまで、実に色が変化に富んでいる。まだ高嶺の花の盛りには早く、イワカガミ以外にはミヤマキンバイが咲くくらいである。

雲が流れ、行く手にまず栗沢山の頂上が姿を現した。背後には、一瞬甲斐駒が雲の中から姿を現しそうになる。いかにも高山らしい爽快な登りである。

たどり着いた頂上には1時間半滞在したが、その間、次々に雲の中から四囲の山々が現れた。いったいこれ以上何を望もうかという山岳展望ショーを見学し、一同満足して下山となった。

下の山小屋で人を見た以外、山中ひとりの人にも出会わなかった。この日栗沢山は7人で貸切だったことになる。

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