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      要害山〜深草観音〜岩堂峠 2006.4.10



かつてはそこに何かが建っていたが、礎石だけになっていたり、石垣だけが残っていたり、といった山に心惹かれる。そしてそんなあまり顧みられることのないような山は里の近くにはすこぶる多いので、山歩きの楽しみは尽きることはない。

要害山もそんな山のひとつだが、なにしろ武田信玄生誕の山だというのだからこれは有名山のひとつ。しかしそのわりには妙に観光地化しておらず、つまらぬ復元などもされていないのがよい。私のガイドブックでも紹介したが、この山だけでは行程が短すぎるので石和の大蔵経寺山と結んだ縦走コースとした。本が出たころには、大蔵経寺山への稜線に入ってからは道標らしい道標もなかったのが、今では立派に整備されている。

要害山とはよく名付けたもので、ここに城を築けば攻め入るのは難儀なことであろう。かつての登城の道がそのまま登山道となっているわけだが、これがなければおいそれと登れる地形ではない。

府中を睥睨する位置も出来すぎで、この山の登山口にある温泉宿の主人が一時期甲府市長や山梨知事の職にあったが、毎日下界を見下ろしていると、ひとつこの国を治めてやろうという気にもなるのかもしれない。

横浜Y崎さん一行との軽い山歩きにこの山を選んだ。登山口付近では桜とミツバツツジが同時に咲いていて見事だった。この山だけでは短すぎるので深草観音、岩堂峠と結んだ周回コースとした。

(2015.1) 

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