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          霧ヶ峰 2005.7.15



この前日にも木曜山行で霧ヶ峰を歩いた。ごくオーソドックスに八島湿原からゼブラ山を経て外周コースを歩いたのだが、そのとき出会った、ここで永く活動しているという自然監視員が、こんなにニッコウキスゲが咲いたのを見たのは初めてだと言った。なるほど花の盛りにはわずかに早いようだが、それでも草原は淡い橙色に染まっている。

たまたまその翌日、梟マムさんが先導しての八ヶ岳歩こう会の山歩きがあった。むろんそれは霧ヶ峰ではなかったのだが、この木曜山行に参加していてその花の有様を見たマムさんは、これは何がなんでも霧ヶ峰へと計画を変えたほうがいいと思ったのである。そこで私に明日も案内せよとのお達しである。幸か不幸か私はいつも暇である。

翌朝集合場所でこれこれこういうわけで計画を変更したいとマムさんが参加者に告げたわけだが、そんなにいいなら誰に異論があろうはずもない。というわけで2日連続で霧ヶ峰へ行くことになった。

しかし前日と同じコースではつまらないと、以前から聞き及んでいた、姫木平から大笹峰を経て霧ヶ峰の外周をたどるコースを歩いてみることにした。これが静けさといい雰囲気といい絶品の径で、以来、私の霧ヶ峰はほぼこのコースだけである。いったい何度歩いただろうか。

この夏は間をおかずあと2回同じコースを歩いた。つまり天気が良ければほとんど毎日のように通っていたことになる。これ以後、年を追うごとにニッコウキスゲは減っていき、今では、柵で保護された場所以外ではほとんど見ることもなくなってしまったことを思うと、この年せっせと通って良かったなあと、しかしもうあの絢爛を見ることはできないのだろうかと、半分は悲しいような気分でこの年の花盛りを思い出すのである。

(2014.12)

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