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           後蔵 2004.12.26



10月に瑞牆山にご一緒したY崎夫妻が早くもリピーターになって、そのうえ仲間を引き連れてロッジに泊まってくれることになった。近所の山を案内してほしいという要望である。以来、年に2度はこのY崎グループを山に案内することが恒例になった。

山慣れた人ばかりでもないので、暮れも押し迫った時期なら登れる山は限られる。それでも料金をいただいて案内する以上、しっかりした登山道がある山では申し訳ないと、選んだ山は後蔵であった。国界橋から平久保池のほとりに出て、後蔵を経て塩沢温泉に下るルートで、そのころ私のお気に入りだったのである。

これは藪山初歩と言えるような山ではあるが、やはり人を選ぶ。とても径とはいえない踏跡を登りながら少々山の選択を誤ったかとも思った。途中から雪も降りだし、あっという間に地面はうっすらと白くなった。これを冬の風情と喜べればいいが、ただ寒々しいだけだと思えば一刻もはやくこんな苦行はやめたくなるだろう。

この手の山歩きに参加して、2度と来ない人がいる。つまりは性に合わなかったということだろうが、Y崎グループは最初の山がこんな山だったにもかかわらず、せっせと毎年やってきてくれることを思うと、人も山も相性だなと思われるのである。

我が家からは娘とクリオが参加した。平久保池畔に勢ぞろいした写真を見ると、これはちょっと得体のしれない大所帯で、むろんまず人のいない山だが、それだけに、たまたま他の登山者が我々に出くわしたなら、クマに出会うより驚いたに違いない。

(2014.10)

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