栗沢山(仙丈ケ岳)

おびただしいイワカガミの咲く尾根を登り、いよいよたどり着いた頂上、帰りのバスまでにはたっぷりと時間があるから、のんびりできるはずだった。しかし、それもあっという間に感じることになった。1時間半、のんびりする暇もないくらい、四囲の山々が次々に雲の中から現れるのを、あちらを向き、こちらを向き、楽しんだのである。北岳、仙丈、アサヨ峰、そしてお待ちかねの甲斐駒、最後には地蔵のオベリスクまで望むことができた
稲子岳 (蓼科、松原湖)

ニュウではそこそこの展望が楽しめた。稲子岳への径に入ると、さながら苔とイワカガミの王国をゆくがごとしである。登山者の多い八ヶ岳ではもっとも原始的な径といえるだろう。凹地に下って長い昼休みとした。相変わらずの静かな別天地である。曇っていると肌寒いが、ときおり薄日が射すと一気に暖かくなる。足の踏み場もないようなシロバナヘビイチゴの花に混じって、ハクサンチドリが咲いていた。山中9時間、ひとりの登山者にも出会わなかった。
硫黄岳(八ヶ岳西部、蓼科)

大観が得られるはずの稜線に出ても、期待の赤岳や阿弥陀岳は姿を見せなかった。それでも硫黄岳までの間には、ミヤマシオガマやミヤマダイコンソウなどが盛りで、目を楽しませてくれた。硫黄岳山荘方面へと花散歩に出かけ、聞きしにまさるコマクサの数には驚く。ちょうど今が盛りのようであった。ウルップソウとチョウノスケソウは咲き終わりかけていた。硫黄岳2時間の滞在も、ついに報われることなく、展望を得ないまま夏沢峠へと下った。
茶臼山(山辺)

尾崎喜八がかの有名な「登りついて不意に開けた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたかと思う」の一節を書く題材になった、三城から百曲りを登るコースを選んだ。頂上台地も霧の中で「世界の天井が抜けた」とはいかなかったが、それはそれ、高原の霧を楽しむしかない。天気のおかげか人っ子ひとりおらず、広大な牧場の中を我々だけの行列が茶臼山へ向かった。茶臼山頂上でも展望を得ることはできなかった。
三ノ沢岳(木曽駒ヶ岳)

ロープウエイを使い、三ノ沢岳だけに絞った計画だから、時間に余裕がある。四方の景色を楽しみながらごくのんびりと歩いた。三ノ沢岳への稜線を進むにつれ、乗鞍岳が現れ、さらに槍穂が現れ、と飽きさせることがない。奇しくも今日はおとみさんの誕生日だという。きけばS沼さんの誕生日も数日後に迫っているとか。おとみさん自ら背負い上げた富良野ワインをあけ、O田さん差し入れのケーキを切り、山上のパーティとなった。
乾徳山から黒金山へ(川浦・金峰山)

すばらしい好天だったが、とにかく大汗をかかされた。しかしその分、見えるべきものはすべて見えるといった大展望を得られたのである。黒金山からの下り、大ダオから東奥山窪に沿っての径は、地形図からは想像もできないほど水流が複雑多岐に流れ込んでおり、うんざりするくらい何度も流れを渡らされた。怪しい踏跡に何度か行きつ戻りつし、迫る夕闇との闘いになった。車に戻ったらもう真っ暗だった。
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