前三ツ頭から笹ー尾根下降(八ヶ岳西部・小淵沢)

てっきりこの尾根を材木尾根だと思い込んでいたが、研究家の北村氏によると笹ー尾根というらしい。いかにも火山らしい赤茶けた砂礫地の尾根は、八ヶ岳には意外にもあまりない。そのおかげで展望は抜群で、その立地とあいまって、まずどんな山でも得られない広濶な眺めを楽しみながら下ることができる。三味線滝へは、途中から分かれる尾根に入って達する。横断歩道の完成で、この手の尾根を探索しやすくなった。
今倉山から二十六夜山(都留)

山梨百名山をふたつ稼げるコースとあって、選定後に人気が出た。かつては薮っぽかった道も整備され、何の心配もなく歩ける。途中の松山からの展望はこの付近隋一である。樹相のよさも格別で、とくに紅葉時には素晴らしいのだが、あいにく今年は色づきが今ひとつだったのは残念だった。それでも、ブナやミズナラの尾根をのんびり歩く味わいは何ともいえない。二十六夜山も頂上が伐採されて見晴らしのいい山になっていたが、富士は最後まで姿を見せなかった。
カンマンボロンから瑞牆山へ(瑞牆山)

カンマンボロンから大ヤスリ岩の根元に達するルートがあるのは知っていたが、まだ歩いていなかったので山行予定に加えた。岩を縫って巧妙につけられた道は、古くからあったと思われる。道路事情の悪さから忘れられていたのだろうが、植樹祭がらみの整備でまた歩かれるようになったのだから皮肉な感じがする。道標の整備いかんでは、古くて新しいルートとして脚光を浴びることになるかもしれないが、あまり喧伝はしてもらいたくないものだ。
大烏山(川浦)

古くから薮山党には知られた山であるが、琴川ダム工事に伴って、このあたりもずい分開けた感じになってしまった。牧丘町で立てた大烏山への道標は付近の工事の具合で色々に付け替えられ、まったく用をなしているとはいえない。この山から見えるべき山はすべて見える大好天、御料局三角点と山名標がなければわからないような稜線の一角が山頂とされているが、周囲の木が少し切り開いてあるので展望はよい。そこでゆっくりと1時間、昼食をとりながら大展望を楽しんだ。
鶴ヶ鳥屋山(笹子)

中央沿線の山は今ではどの山もわりとメジャーになっている。今回は、この山がもっとも堂々と見える初狩側から登ってみたのだが、道標もしっかりとあり、以前の印象とは変わっていた。だが、稜線の樹林は相変わらずの素晴らしさで、思わず見とれるような亭々としたブナやミズナラの大木が何本もあった。木々に囲まれて何の展望もなかった頂上は、南側が伐採されて、三ッ峠山の稜線の向こうに富士山が望めるようになっていたが、その分風情が失われたような気がした。木を残すべきだったように思う。
ヤクボの頭(御所平)

木曜山行では去年の5月以来2回目となる。登り始めたころは霧の中だったが、登るうちには雲の上に周りの山々が次々と姿を現しはじめるという、すばらしい演出となった。こういった山には珍しく、スカッとした展望の得られる場所があり、山々と下界を眺めながらのんびりと休んだ。地形図を眺めていると、名前はない、こんな山が浮かび上がってくることがありおもしろい。半日の山歩きに最適の山である。山名は原全教『続・奥秩父』による。
2006年の計画に戻る   トップページに戻る